地獄

自信をもって前に進んでいるというのはただの深い思い込みで、実は逃げてるだけだと気付かされたとき、幻想の霧は消えてしまった。

視界は良好になったはずなのに、そこには何もなかった。何も見えなかった。

 

夢が見れなくなった。過去がないからだ。記憶のピースとピースが再構成されるその組み合わせがなかった。

 

忘れたい、という気持ちがある。ただ今の自分はあまりにも無力で蓋を押さえつけるように固く紐で結ぶその力さえない。それは自由に飛び回っている。私はそれから目をそらし続ける。

 

そうしているうちに今日も日が暮れる。夜が来る。

ただ怠さに包まれ、眠りに就く。また、朝が来る。